慈氏(読み)ジシ

デジタル大辞泉 「慈氏」の意味・読み・例文・類語

じ‐し【慈氏】

《〈梵〉Maitreyaの訳。弥勒音写弥勒菩薩みろくぼさつ異称慈氏尊

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精選版 日本国語大辞典 「慈氏」の意味・読み・例文・類語

じ‐し【慈氏】

  1. ( [梵語] Maitreya 「彌勒」の訳。慈悲深いの意 ) 仏語彌勒菩薩(みろくぼさつ)の異称。慈氏菩薩歴史上の彌勒または、当来仏としての彌勒菩薩のこと。
    1. [初出の実例]「釈慈之示教〈謂釈氏慈氏〉先開三帰〈謂依仏法僧〉五戒 而化法界」(出典:万葉集(8C後)五・悲歎俗道仮合即離易去難留詩序)
    2. 「肉身に三昧を証じて、慈氏の下生をまつ」(出典:平家物語(13C前)一〇)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「慈氏」の意味・わかりやすい解説

慈氏
じし

弥勒」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の慈氏の言及

【弥勒】より

…クシャーナ朝下で用いられた言語でミイロはイランの太陽神ミスラMithraに由来し,したがってベーダの契約神ミトラMitraと関連する。インド仏教徒はMiiroをMitraに還元し,mitraが友を意味し,派生語maitreyaが〈友情ある〉を意味することから,弥勒を〈慈氏〉(Maitreyaの意訳語)ととらえたものと思われる。《弥勒下生経》をはじめとする弥勒六部経によると,弥勒は兜率天(とそつてん)におり,釈迦の没後その予言にしたがい,人寿八万四千年のときに下界に降り,竜華樹のもとで仏となって,釈迦の救いにもれた人々を救う。…

※「慈氏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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