デジタル大辞泉
「懐剣」の意味・読み・例文・類語
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かい‐けん クヮイ‥【懐剣】
〘名〙
① ふところに入れておく護身用の短刀。ふところがたな。
一尺三寸。
※
太平記(14C後)二七「懐剣
(クヮイケン)と云太刀を錦の袋より取出して、
赤松にこそ引きたりけれ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
懐剣
かいけん
懐刀(ふところがたな)、隠剣(かくしつるぎ)ともいう。『古事記』に「自懐出剱」(懐より剣を出す)とあるように、懐に隠し持つ刀剣のことをいう。しかし、これは特殊な様式のものではなく、『武器考證(こうしょう)』に「此懐刀ハ腰刀ナリ」とあるように、短い刀を懐中深く隠し持って外に現さず、火急の際に用いる。一般に女子が錦(にしき)の袋に入れて胸元に差すような誤解があるが、結婚式に花嫁が懐剣を懐にするのは明治以降のことである。
[小笠原信夫]
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