(読み)ボウ

デジタル大辞泉 「房」の意味・読み・例文・類語

ぼう【房】[漢字項目]

常用漢字] [音]ボウバウ)(呉) ホウハウ)(漢) [訓]ふさ
ボウ
母家の両わきの小部屋。広く、部屋。住まい。「房室官房監房空房工房茶房さぼう山房書房僧房暖房厨房ちゅうぼう同房独房女房にょうぼう文房冷房
夫婦の寝室。夫婦の交わり。「房事・房中術/閨房けいぼう
部屋のような空間に仕切られたもの。「子房心房蜂房ほうぼう
安房あわ国。「房州房総
ふさ(ぶさ)〉「玉房・乳房ちぶさ花房・一房」
[難読]阿房あほう

ぼう〔バウ〕【房】

部屋。小部屋。
僧の住む所。坊。
二十八宿の一。東方の第四宿。さそり座の頭部にある四星をさす。そいぼし房宿

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精選版 日本国語大辞典 「房」の意味・読み・例文・類語

ぼうバウ【房】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. へや。つぼね。特に堂のかたわらの小部屋など。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    2. ぼう(坊)[ 一 ]〔名語記(1275)〕
    3. ぼうこ(房戸)
      1. [初出の実例]「遣唐使水手已上、一房徭役咸免」(出典:続日本紀‐養老元年(717)一一月甲辰)
    4. かんぼう(監房)」の略。
      1. [初出の実例]「お浪と梅次は、別々の房(バウ)に不審の胸を押へて考へて居た」(出典:良人の自白(1904‐06)〈木下尚江〉続)
    5. 部屋のように区切られた形。「子房」「心房」など。〔生物学語彙(1884)〕
    6. 武装した僧侶法体武士
      1. [初出の実例]「すはう袴かたぎぬ小袴などの紋の事〈略〉房小者は人の目に立候やうになるが能候」(出典:宗五大草紙(1528)衣装の事)
    7. 雑用に召し使われる人。
      1. [初出の実例]「五百文〈略〉二百文 同方房与之」(出典:鵤荘引付‐永正一一年(1514))
    8. にょうぼう(女房)」の略。
      1. [初出の実例]「時姫を奪返して来たらすぐにぼうにやらう。ヤ女房にやらうと言しゃりましたは」(出典:浄瑠璃・源頼家源実朝鎌倉三代記(1781)九)
  2. [ 2 ] 二十八宿の東方第四宿。さそり座の頭部にある四星。房宿(ぼうしゅく)。そいぼし。

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普及版 字通 「房」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 8画

(旧字)
8画

[字音] ボウ(バウ)
[字訓] へや・すまい・たてもの・ふさ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は方(ほう)。方に区画されたものの意がある。〔説文〕十二上に「室、旁(かたは)らに在るなり」と旁の意を以て解する。堂房はもと儀礼を行うところであったが、のち房室の意となり、個室の意となり、独房のようにも用いる。大きな俎(まないた)の意に用いるのは、俎の下の足を房とよぶからである。

[訓義]
1. へや、つぼね、いま。
2. すまい、いえ、やどり。
3. たてもの、官衙、祠堂。
4. ふさ、ふさ形の巣。
5. やづつ、えびら。
6. まないた。

[古辞書の訓]
名義抄 ネヤ・フサ・ハナブサ・ツツム 〔字鏡集〕 ツツム・ヲリ・フサ・ナカバヤ・コヤ・ハナブサ・ネヤ

[語系]
biuang、旁bangは声近く、古代の宮室の制では、室の左右両旁に東房・西房があった。それで〔説文〕はを旁を以て解するが、とは一棟中の同区画の室をいう。すなわち方piuangの声義をとる字である。

[熟語]
房幄房帷・房房宇房掖・房宴・房燕房簷・房奥・房下・房科房臥・房外・房楽・房間・房客・房兄・房戸・房産・房祀・房事・房室・房舎・房主・房術・房丞・房親・房銭房俎房租・房闥・房中・房長・房賃・房殿・房内・房・房・房望・房門・房友・房・房累・房奩・房・房廊・房老
[下接語]
帷房・房・陰房・雲房・温房・花房・華房・画房・官房・寒房・間房・監房・巌房・妓房・宮房・玉房・空房・君房・閨房・房・故房・後房・獄房・山房・子房・矢房・私房・紫房・寿房・書房・椒房・房・浄房・深房・専房・前房・禅房・僧房・大房・丹房・男房・暖房・煖房・茶房・廚房・同房・洞房・堂房・独房・尼房・乳房・女房・文房・別房・便房・蜂房・蜜房・門房・房・幽房・蘭房・冷房・連房・蓮房

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【住居】より

…このような鎌倉時代の武家住宅をさらに変貌させていったのは,僧侶の住いの影響である。当時の僧侶の多くは,寺院の中で個別の住房を構えて修行を行っていたが,書見のために棚板のついた出窓(附書院)を設けたり,仏画をまつるため壁面の前に飾棚を固定した装置(押板(おしいた))を設けることが一般化していった。これらの変化は14世紀から15世紀にかけて進んでいったが,やがて,それが武家住宅にも採り入れられるようになる。…

【ショオ族(畲族)】より

…稲米,番薯(サツマイモ),大麦,小麦,油菜,豆類などをつくるほか,茶葉の栽培や林業に従事することでも知られる。村落は一般に数十戸が集まって形成され,同姓同祖によって共有される〈祠堂〉や血縁的つながりのある人々によって構成されている〈房〉という組織が社会単位となっている。また,上述の槃瓠伝説で語られた諸姓は婚姻規制と結びついている。…

※「房」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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