手に唾する(読み)てにつばする

故事成語を知る辞典 「手に唾する」の解説

手に唾する

勢い込んでものごとに取りかかることのたとえ。転じて、とてもたやすくできることのたとえ。

[使用例] 彼は即座に引受けた。手に唾するとはこの時の気持であった[松本清張断碑|1954]

[由来] 「太平御覧警備」に引用されている、「九州春秋」という書物に出て来る話から。二世紀の終わりの中国、後漢王朝末期の戦乱の時代。天下を争う群雄たちの一人、こうそんさんという武将は、敵に包囲されてしまいました。このとき、彼は、「戦いが始まった時には『てのひらに唾して決すべし(手に唾をつけて滑らないようにして、一気に勝敗を決してやろう)』と思っていたが、今は形勢が変わった」と言って、兵士たちを休ませ、食糧を備蓄することにした、ということです。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android