手取・手捕(読み)てどり

精選版 日本国語大辞典 「手取・手捕」の意味・読み・例文・類語

て‐どり【手取・手捕】

〘名〙
① 糸などを機械にかけないで手で繰り取ること。手繰り。
素手(すで)でつかまえること。いけどりにすること。
※九冊本宝物集(1179頃)六「かるめ、あざけりて、手どりにせんとするをききて」
愚管抄(1220)五「大鹿にはせならびて角をとりて手どりにもとりけり」
③ 手に入れる金。収入のうち、仕入れ値段、経費、税金などの諸費用を差し引いて実際に手に入る金額。また、その金高。実収入。純益手取金。手取高。
※浮世草子・好色貝合(1683)上「かこひとはしの挙銭は、親方の手取(テドリ)には替はなけれど」
学問のすゝめ(1872‐76)〈福沢諭吉〉一〇「其得る所の月給は正味手取の利益なり」
④ 水を注ぐ具。薬罐(やかん)などの類。
※梵舜本沙石集(1283)七「火葬するに、石の如(ごとく)にしてやけざるものの、手取の勢なるあり」
⑤ 釜のとって。また、とってのついた釜。
※俳諧・竹馬狂吟集(1499)一〇「茶をものまじと世をぞ捨ぬる 山ずみに手取もちてもなにかせん」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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