手覆(読み)タオオイ

デジタル大辞泉 「手覆」の意味・読み・例文・類語

た‐おおい〔‐おほひ〕【手覆】

甲冑かっちゅう籠手こての、ひじから先の部分。また、特に手の甲をおおう部分。

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精選版 日本国語大辞典 「手覆」の意味・読み・例文・類語

て‐おおい‥おほひ【手覆】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 武具籠手(こて)をいう。たおおい。
    1. [初出の実例]「籠手の手覆よりうで打おとされてのきにけり」(出典:平治物語(1220頃か)中)
  3. 手の甲をおおう布。ておい。手甲(てっこう)。《 季語・冬 》 〔温故知新書(1484)〕
    1. [初出の実例]「さわらひの手おほひと成霞哉〈貞盛〉」(出典:俳諧・毛吹草(1638)五)

た‐おおい‥おほひ【手覆】

  1. 〘 名詞 〙 甲冑(かっちゅう)小具足の籠手(こて)の部分の名。手の甲を覆うところ。籠手の坐盤、手甲、肘金物などの部分。
    1. [初出の実例]「Tauouoiuo(タヲヲイヲ) ムクリ カエス〈訳〉尊敬すべき人と話し合う時に、礼儀として上述の部分を少し裏返す」(出典日葡辞書(1603‐04))

て‐おい‥おひ【手覆】

  1. 〘 名詞 〙ておおい(手覆)
    1. [初出の実例]「勧進箱と手おひは土山にてもとめん」(出典:浮世草子・御前義経記(1700)三)

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世界大百科事典(旧版)内の手覆の言及

【籠手(小手)】より

…布製の筒状の袋をつくり,鎖,鉄金具をつけて仕立てる。また先端の手首より先の手甲を覆う部分を手覆(ておおい)という。籠手は古くは手纏(たまき),室町時代には手蓋(てがい)ともいった。…

※「手覆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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