折合(読み)おりあい

精選版 日本国語大辞典 「折合」の意味・読み・例文・類語

おり‐あい をりあひ【折合】

〘名〙
互いの関係。人と人との仲。
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三「急に母子の折合(ヲリアヒ)が好(よく)なって来た」
② (「折合いが付く」「折合いを付ける」の形で) 意見の違いのある場合など、互いに譲り合っておだやかに解決すること。妥協
※浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三「顔を視れば鬩(いが)み合ふ事にしてゐた母子(おやこ)ゆゑ、折合が付いてみれば、咄(はなし)も無く」
連句で、手爾波(てには)でとめる場合、長句のとめの字と、短句の中のとめの字とが同じであること。避けるべきこととされるが、物の名の場合はさしつかえない。
④ 相場が乱調のとき、売り手と買い手とが互いに譲歩しあうこと。〔新時代用語辞典(1930)〕

おり‐あ・う をりあふ【折合】

〘自ワ五(ハ四)〙
① 重なる。重なりあう。
正徹物語(1448‐50頃)上「声韻とて句のはてに同字のおりあひたるをば嫌ふ也」
② 意見の違う者などが、互いに譲り合っておだやかに物事を解決する。妥協する。折れ合う。
※内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙緒言給金の談判折合(ヲリア)はざるにや」

おれ‐あ・う をれあふ【折合】

〘自ワ五(ハ四)〙 ゆずり合う。妥協する。おりあう。
坑夫(1908)〈夏目漱石〉「自分は冷たくって重たい足を苦に病(や)んで、頭を布団の中に突っ込んだ。せめて頭丈でも暖にしたら足の方でも折れ合(ア)って呉れるだらうとの、果敢(はか)ない望みから出た窮策であった」

おれ‐あい をれあひ【折合】

※松翁道話(1814‐46)二「左様ならば中とって、折合にいたしませう」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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