捧物(読み)ホウモチ

デジタル大辞泉 「捧物」の意味・読み・例文・類語

ほう‐もち【×物】

ほうもつ(捧物)」に同じ。
親王みこたちも、様々の―捧げて」〈賢木

ほう‐もつ【×捧物】

神仏などにささげる物。ささげもの。ほうもち。
「五の巻の―の日は、よろしき人よりはじめ」〈落窪・三〉

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精選版 日本国語大辞典 「捧物」の意味・読み・例文・類語

ささげ‐もの【捧物】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 貴人にたてまつる物。また、神仏にたてまつる供物。古くは木の枝や打枝造花の枝)に結びつけてたてまつった。献上品。贈り物。ほうもつ。ほうもち。
    1. [初出の実例]「それうせたまひて、安祥寺にてみわざしけり。人々ささげものたてまつりけり」(出典:伊勢物語(10C前)七七)
  3. 寺院法会に出仕した職衆などへの布施物
    1. [初出の実例]「寺家卅講捧物紙一千帖也」(出典:東大寺続要録(1281‐1300頃)寺領章)

ほう‐もつ【捧物】

  1. 〘 名詞 〙 神仏へたてまつる供物。また、貴人へたてまつる物。ささげもの。ほうもち。
    1. [初出の実例]「公卿并少納言等有捧物事、又有所々誦経六度」(出典:貞信公記‐抄・延喜一八年(918)八月一五日)
    2. 「五の巻のほうもつの日は、よろしき人よりはじめ」(出典:落窪物語(10C後)三)

ほう‐もち【捧物】

  1. 〘 名詞 〙ほうもつ(捧物)
    1. [初出の実例]「ほうもちのありさま、〈略〉所せきまで見ゆ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)鈴虫)

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