捻り(読み)ヒネリ

デジタル大辞泉 「捻り」の意味・読み・例文・類語

ひねり【捻り/×拈り/×撚り】

ひねること。ねじること。「腰の捻りが足りない」
趣向をこらすこと。一工夫すること。「捻りのきいた台詞せりふ
御捻おひね」に同じ。
相撲で、腕の力で相手をねじるようにして倒す技。上手捻り下手捻り合掌捻りなどがある。
江戸時代の捕縛用具の一。袖搦そでがらみの類。

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精選版 日本国語大辞典 「捻り」の意味・読み・例文・類語

ひねり【捻・拈・撚】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「ひねる(捻)」の連用形の名詞化 )
  2. ひねること。ねじり回すこと。
    1. [初出の実例]「あてきが縫ふものの、かさねひねり教へなど」(出典:紫式部日記(1010頃か)寛弘五年一二月三〇日)
  3. 紙をひねったもの。こより。
    1. [初出の実例]「又初日成文束の上に以別紙比禰利結加」(出典:左経記‐長元元年(1028)二月三日)
  4. 武器の一つ。敵の着衣などをからみつけて、その行動の自由を奪うための袖搦(そでがらみ)・刺股(さすまた)の類。
    1. [初出の実例]「或は鑓或は捻・琴柱などにて、間近く差詰め生捕りにせんと」(出典:室町殿物語(1706)九)
  5. 考えや行動などが、工夫が加えられ、普通とは違うこと。また、その行動。また、普通とは変わった趣向。
    1. [初出の実例]「雛妓(しんぞう)買の捻りを楽しみとせしが」(出典洒落本・格子戯語(1790))
  6. 賽銭(さいせん)祝儀などを紙で包んで、紙の端の部分をよじり合わせたもの。おひねり。
  7. ひねりたおし(捻倒)」の略。
    1. [初出の実例]「十二のひねり、十二の投げ」(出典:浄瑠璃・井筒業平河内通(1720)五)
  8. 相撲で、土俵の塵をひねって互いに礼をかわすこと。
    1. [初出の実例]「諾(うなずき)合いたるひねりの礼儀」(出典:浄瑠璃・関取二代勝負付(1768))
  9. ビリヤードで、球の中心線よりも左、または右を突いて、手球に回転を与えること。ひねりをつけられた球はまっすぐ進むが、クッションに当たるとはね返る角度がひねりの方向に大きくなる。
  10. 体操競技で、頭と足を結んだ線を軸として、からだを回転させること。「倒立ひねり」「片手ひねり下り」
  11. (ひとえ)の衣の縁(へり)を折り返さないで、丸くより返しておくこと。糊で固めて留める糊捻(のりびねり)と糸でからめて留める糸捻(いとびねり)とがある。

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