掻込(読み)かいこむ

精選版 日本国語大辞典 「掻込」の意味・読み・例文・類語

かい‐こ・む【掻込】

(「かきこむ(掻込)」の変化した語)
[1] 〘他マ四〙
自分のほうへかき寄せる。手元にかき集める。
② 手元に引き寄せてかかえこむ。脇の下へかかえこむ。
太平記(14C後)一四「柄も五尺身も五尺の備前長刀、右の小脇にかいこみて」
③ 水などを汲み入れる。また、俵などにものを詰め込む(改正増補和英語林集成(1886))。
[2] 〘他マ下二〙 (一)に同じ。
史記抄(1477)一一「抜とは人の所領を我方へ取て、かいこめたを云ぞ」

かき‐こ・む【掻込】

〘他マ五(四)〙
③ 飯をかき寄せて口の中へ入れ、食べる。飯を急いで食べる。かっこむ。
浄瑠璃・源氏冷泉節(1710頃)上「道中十文盛り、かきこんだばかりで、宿へ着いても、薬師如来ぞ、茶もたべずに駆け附た」

かっ‐こ・む【掻込】

〘他マ五(四)〙 (「かきこむ(掻込)」の変化した語) 物を自分の方へ引き寄せる。また、食物をいそがしく流しこむようにして口へ入れる。
※雑俳・川柳評万句合‐宝暦一三(1763)礼五「料理人つくはって居てかっこまれ」
歌舞伎御国入曾我中村(1825)三立「ちょっと夜食をかッこんでくる間」

かっ‐こめ【掻込】

〘名〙 (福を自分の方へ掻き集めるの意) 酉(とり)の市などで売る縁起物熊手一つ。小さい枡形(ますがた)の中に恵比寿大黒などの像を入れたもの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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