教唆(読み)キョウサ

デジタル大辞泉 「教唆」の意味・読み・例文・類語

きょう‐さ〔ケウ‐〕【教唆】

[名](スル)
ある事を起こすよう教えそそのかすこと。「教唆扇動」
「法外な給料増加の請求坑夫等に―し」〈木下尚江火の柱
他人をそそのかして犯罪実行決意を生じさせること。
[類語]おだてる唆す仕向ける指嗾駆り立てるけしかける

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「教唆」の意味・読み・例文・類語

きょう‐さケウ‥【教唆】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 他人をそそのかすこと。けしかけること。扇動すること。哄唆。〔哲学字彙(1881)〕
    1. [初出の実例]「到底(つまり)君のやうな奴が、薫陶教唆(キャウサ)するが為なりかね」(出典当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉六)
    2. [その他の文献]〔元曲‐賺蒯通〕
  3. 犯意のない他人をそそのかして犯罪を行なわせること。〔仏和法律字彙(1886)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「教唆」の意味・わかりやすい解説

教唆【きょうさ】

他人をそそのかして犯罪実行の決意を起こさせること。共犯の一形式。教唆した結果,被教唆者が決意・実行したときは教唆犯として正犯に準じて処罰(刑法61条)。教唆方法は明示黙示,直接・間接を問わない。破壊活動防止法刑事特別法などは被教唆者の実行をまたず,教唆を独立犯として処罰。
→関連項目自殺関与罪従犯証拠隠滅罪内乱罪

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

普及版 字通 「教唆」の読み・字形・画数・意味

【教唆】きよう(けう)さ

そそのかし、悪事をさせる。宋・朱熹〔呂伯恭に答ふ士人の法を犯す唆把持すること、其の罪一ならず。

字通「教」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の教唆の言及

【教唆犯】より

…人を教唆して犯罪を実行させること(刑法61条)。教唆とは,人に犯罪を実行する決意を生ぜしめることをいう。…

※「教唆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android