斉(中国の王朝(479~502))(読み)せい

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

斉(中国の王朝(479~502))
せい

中国の王朝(479~502)。南朝の一つ。南斉ともいう。都は建康(いまの南京(ナンキン))。蘭陵(らんりょう)(江蘇(こうそ)省武進県付近)出身の蕭道成(しょうどうせい)(高帝)が宋(そう)王朝にかわって建国した王朝である。7代24年間続いたが、11年在位した第2代武帝のほか、初代高帝の3年、第5代明(めい)帝の4年を除けば、ほかはいずれも若年皇帝が短期間に廃立されている。もっとも安定していたのは武帝時代で、貴族にかえて身分の低い官僚を重用し、また混乱していた戸籍を正すなどの政策がみられ、比較的専制的な政治が行われた。その後、傍系から帝位を継いだ明帝が帝室の一族を大量に殺害し、また彼の子東昏侯(とうこんこう)の南朝随一といわれる虐政によって人心を失い、一族の蕭衍(しょうえん)(梁(りょう)の武帝)によって滅ぼされた。

[中村圭爾]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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