デジタル大辞泉
「新訳」の意味・読み・例文・類語
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しん‐やく【新訳】
〘名〙
※
閑談の閑談(1933)〈
吉野作造〉二「和訳に使った支那訳原本は一八七二年の新訳だらうと益本氏は説いて居られるが」
※
今昔(1120頃か)七「新訳の経は猶、
文詞甚だ美也と云へども、義理淡く薄し」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
新訳
しんやく
xin-yi
中国,唐代の玄奘からのちの翻訳仏典をさしていう語。4世紀,鳩摩羅什から玄奘以前までのいわゆる「旧訳 (くやく) 」に対する。羅什以前の竺法護らの翻訳は「古訳」と呼ぶ。玄奘以前は,ほとんどが中央アジア経由で中国に入った仏典の翻訳であった。玄奘は直接インドに渡って,中央アジアの修飾を受けない原典から改訳したためにこの名がある。たとえば,羅什訳の『維摩詰所説経』 (3巻) を,玄奘は『無垢称経』 (6巻) として改訳している。「旧訳」は,道家の典籍からの語句を使っていたり,意訳が多く,「古訳」は難解であるのに対して,「新訳」は原典に忠実な訳が多いといわれる。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報