精選版 日本国語大辞典 「方便・活計」の意味・読み・例文・類語
た‐ずき ‥づき【方便・活計】
〘名〙 (後世は「たつき」「たつぎ」とも)
① 手がかり。よるべき手段。方法。よるべ。
※万葉(8C後)一八・四〇七八「恋ふといふはえも名づけたり言ふすべの多豆伎(タヅキ)もなきは吾が身なりけり」
② 様子・状態を知る手段。見当。
※万葉(8C後)一六・三八五〇「世の中の繁き仮廬に住み住みて至らむ国の多附(たづき)知らずも」
※御伽草子・あしびき(室町中)「いかにして言ひ寄るべきたつきもおぼえねども」
③ 生活の手段。生計。たつ。
※浮世草子・宗祇諸国物語(1685)四「世渡るたづき中々にとめぬ月日の数そへて」
[補注]語形はタヅキが古い形であろうが、母音が交替した形であるタドキも併存した。「万葉‐二四八一」には「跡状(たどき)」と表記した例があり、これは様子や状態の意を表わしたものであろう。
た‐つき【方便・活計】
〘名〙 ⇒たずき(方便)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報