(読み)ムネ

デジタル大辞泉 「旨」の意味・読み・例文・類語

むね【旨/宗】

中心となるもの。また、重要なもの。「安全を―とする」
(旨)述べたことの中心。趣旨趣意。「辞退する―を伝える」
[類語]意味内容意義意味合いニュアンス語感本義広義狭義概念いいこころ語意語義字義文意含意含み

し【旨】[漢字項目]

常用漢字] [音](呉)(漢) [訓]むね うまい
考えの内容。意向。むね。「主旨趣旨宗旨聖旨宣旨せんじ同旨本旨来旨要旨論旨
うまい。「旨酒
[名のり]よし

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精選版 日本国語大辞典 「旨」の意味・読み・例文・類語

し【旨】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 文章や話で述べようとしている内容。趣旨。
    1. [初出の実例]「此の法門意得は、天台一宗悉く旨を得る也」(出典:雑談集(1305)一)
    2. [その他の文献]〔易経‐繋辞下〕
  3. 君のおぼしめし。君の命令。上意。
    1. [初出の実例]「姚文公翰林になりて、旨(し)を承りて玉堂に宴をもふけられしに」(出典:随筆独寝(1724頃)上)
    2. [その他の文献]〔漢書‐孔光伝〕

むね【旨】

  1. 〘 名詞 〙 ものごとの意味・内容。趣意。趣旨。
    1. [初出の実例]「いひもて行けば、一つむねにあたりて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)蛍)
    2. 「この旨(ムネ)を用取するときは」(出典:不空羂索神呪心経寛徳二年点(1045))

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普及版 字通 「旨」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

[字音]
[字訓] うまい・むね

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
氏+曰(えつ)。曰は器中にものを収めた形。氏は把手のある小刀の形で、氏族共のときに用い、のち氏族の意となる。器中のものを、この小刀で切って食することをいい、美旨の意となる。〔説文〕五上に「美(うま)し」とし、「甘に從ひ、匕(ひ)聲」とするが声が合わず、また甘匕とするのも字形に合わない。甘は拑入(かんにゆう)の象で、旨とは関係がない。金文には斉器の〔国差(こくさたん)〕に「以て旨酒を實(みた)す」とあり、もと神に供するものなどに用いる語であった。

[訓義]
1. うまい、味がよい、うまいもの、よい。
2. むね、おもむき、こころ、わけ。
3. 天子仰せ、おぼしめし。
4. 命令、命令の趣旨。

[古辞書の訓]
名義抄〕旨 ムネ・アマシ・ムマシ・サス・ヨシ・ココロ・ココロザシ

[部首]
〔説文〕〔玉〕に嘗をこの部に属する。〔漢書、礼楽志〕に「百鬼(もつ)て嘗す」とあるように、嘗は鬼神に供することを原義とする字。神嘗(かんなめ)・新嘗(にいなめ)とは、神が用いて旨しとする意である。

[声系]
〔説文〕に旨声として詣・脂・稽・耆・・指など十二字を収める。このうち詣・稽・は声系を異にする字で、もと別系。詣の初文は旨(けい)。その旨は、祝の器(曰)に対して、神霊が上より降下する象。その霊を拝するを(けい)といい、金文に「稽首」の字にを用いる。稽はのちの形声の字である。

[語系]
旨・指・tjieiは同声。旨は旨肉。脂のよくのった肉である。旨肉を撮(と)るものを指、神意にかなうことをという。〔管子、侈靡〕に「天の指に承從す」とあるのは意。指・は旨の声義を承ける字である。

[熟語]
旨意・旨遠・旨嘉・旨甘・旨帰旨麾・旨義・旨遣・旨肴旨告・旨示・旨酒・旨趣・旨信旨蓄・旨通旨統・旨味・旨問・旨要
[下接語]
違旨・遺旨・懿旨・叡旨・遠旨・奥旨・恩旨・雅旨・玄旨・厳旨・高旨・告旨・滋旨辞旨・慈旨・主旨・殊旨・酒旨・趣旨・称旨・詔旨・上旨・情旨・縟旨・心旨・垂旨・清旨・聖旨・宣旨・宗旨・大旨・達旨・朝旨・勅旨・天旨・特旨・内旨・微旨・風旨・芳旨・本旨・妙旨・輸旨・幽旨・優旨・要旨・来旨・綸旨・令旨・論旨

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