作合(読み)つくりあわせ

精選版 日本国語大辞典 「作合」の意味・読み・例文・類語

つくり‐あわせ‥あはせ【作合】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 建築で、建物と建物とが接しているところ。つくりあい。
    1. [初出の実例]「義盛為逢御使、自寝殿侍、飛越造合。〈無橋〉」(出典:吾妻鏡‐建保元年(1213)四月二七日)
    2. 「十禅師の宮の造合(ツクリアハセ)より、白髪たる老女一人現して」(出典:源平盛衰記(14C前)五)
  3. (まぐろ)のような赤色刺身(さしみ)と、鮃(ひらめ)・鯛のような白色の刺身とを盛りあわすこと。また、そのもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「作合」の意味・わかりやすい解説

作合
さくあい

近世初期の有力農民が、領主と直接生産小農民との間にあって中間搾取する形態。幕藩制社会では、領主―農民の一元的関係が確立していて、田畑の生産物は、その生産活動に必要な部分を生産農民が取り、残りを領主がすべて収取するのを原則とした。しかし、太閤(たいこう)検地段階から近世初期にかけては、持高(もちだか)の零細な小農民に自立しがたいものが多かった。そこで、多くの高をもつ有力農民ないし土豪は、自分の持高の若干を小農民に耕作させて、彼らの自立を助けながら収取し、その収取分から領主へ年貢を納めて、なお手元に若干を残した。この残分が中間搾取分であり、作合とよばれた。作合は一種小作料である。

宮川 満]

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