改訂新版 世界大百科事典 「村井知至」の意味・わかりやすい解説
村井知至 (むらいともよし)
生没年:1861-1944(文久1-昭和19)
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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明治時代の社会主義者。文久(ぶんきゅう)元年9月19日、伊予国(愛媛県)松山に藩士の子として生まれる。1879年(明治12)に同志社英学校に入学、熱心なクリスチャンとなり、卒業後は伝道に携わった。のちアメリカに二度留学、社会学を研究するかたわら社会事業施設を観察、社会問題に目を開いた。東京・三田の惟一館(いいつかん)でユニテリアン主義を講じ、97年に労働組合期成会評議員、翌98年には社会主義研究会を組織するなど、社会主義の宣伝・研究に乗り出した。
1899年に著した『社会主義』は、観念性が強いものの体系的に社会主義を考察し、また当時の社会主義理論の水準を示すと評価されている。晩年は教育事業に携わり、東京外国語学校教授などを務めた。昭和19年2月16日没。
[成田龍一]
『村井知至著『蛙の一生』(1927・警醒社)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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