デジタル大辞泉 「松虫」の意味・読み・例文・類語
まつ‐むし【松虫】
2 歌舞伎の下座音楽に用いる楽器。小形の伏せ
3 スズムシの古名。平安時代には名称が入れかわっていた。また、「松」を「待つ」に言い掛けて、和歌などにうたわれている。
「秋の野に人―の声すなり我かとゆきていざとぶらはむ」〈古今・秋上〉
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
能の曲目。四番目物。五流現行曲。摂津(せっつ)国(大阪府)阿倍野(あべの)の酒売り(ワキ)の前に市人(いちびと)たち(シテ、ツレ数人)が現れ、古詩を詠じつつ酒を酌むが、シテの男は、松虫の音を楽しむうちに、友達が死んでしまった悲しみを語る。自分がその友に残された男の亡霊であり、市人に混じって現れたと告げる。酒売りの弔いに、ふたたび男の執心(後シテ)が姿をみせ、友をしのぶ心と、野の景色、松虫の音を語り、舞い、明け方の光の中に消えていく。同性愛に近い友への思慕、その突然の死を包み込んだ夜の原、集(すだ)く虫の音を交錯させ、独特の風趣をもつ異色作。最終部分は、独吟、一調などの演奏に好まれる。
[増田正造]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
…念仏講で打つもので,念仏鉦ともよばれる。歌舞伎囃子では伏鉦に大・小の型があり,大きいものが一つ鉦,中双盤,小さいものが松虫である。一つ鉦は余韻のある音を発し,寺院や殺し場など陰惨さを表すときに用いる。…
※「松虫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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