板井原宿(読み)いたいばらしゆく

日本歴史地名大系 「板井原宿」の解説

板井原宿
いたいばらしゆく

[現在地名]日野町板井原

金持かもち村の南東に位置し,伯耆・美作国境の四十曲しじゆうまがり峠付近を水源として北西流する板井原川最上流部にある出雲街道宿場。街道沿いに家並が狭長に並び、支村として宿場の北西に平家落人集落と伝える内井谷うついだに、四十曲峠北西に峠根たわねがある(「伯耆志」など)。出雲街道で同峠を越えると美作国真島ましま新庄しんじよう宿(現岡山県新庄村)、峠根から南に山道を行けば国境三坂みさか峠を越えて備中国阿賀あが山奥やまおく(現岡山県大佐町)へ通じたが(伯耆民談記)、この道は険阻な坂道で駄馬は通らず、冬は牛馬不通であった(享保一一年「因伯地理志」)。村名は清水の湧出地に旅人のための板井を設けたことにちなむという(日野郡史)正保国絵図に板井原宿とみえ、拝領高は六六石余、本免は六ツ。慶安五年(一六五二)の土免状(吉岡家文書)には高七二石余(うち畑高二五石余)、免六ツ五分、物成四五石余、鍛冶運上銀三匁・「山役たわね役鍛冶御運上」銀六一匁、鍛冶屋払米一二石とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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