出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
戸や板などの板面の片側だけに出ている細長い木のことで、表裏両面に現れているものを框(かまち)とよび区別する。本来は盾(たて)や板、蓋(ふた)などの裏面に打ち付け、板の反るのを防ぐために用いた。現在では障子の骨および戸障子の框の間に組み入れる細長い材をも桟とよぶ。上桟、中桟、下桟、腰桟、胴桟、肘持(ひじもち)桟、襷(たすき)桟、繁(しげ)桟、吸付き桟などがある。また、縦方向のものは縦桟、横方向のものは横桟と称する。このほか、戸締り装置の一種で、戸の框や桟に取り付けてある細長い木片(猿(さる)という)や、和船の舵(かじ)の矧板(はぎいた)と身木を両面から挟み込んで強固に結合するとともに、矧板を補強する材を意味することもある。
[中村 仁]
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