様似(読み)さまに

改訂新版 世界大百科事典 「様似」の意味・わかりやすい解説

様似[町] (さまに)

北海道南部,日高支庁様似郡の町。人口5114(2010)。太平洋に面し,日高山脈とそれに連なる丘陵が町域の大部分を占める。JR日高本線の終点にあたり,国道336号線が海岸沿いに走る。1799年(寛政11)幕府支配の会所が置かれ,1804年(文化1)幕府はアイヌ教化と在住和人のために蝦夷三官寺の一つ等澍院(とうじゆいん)を建立した。陸繫島エンルム岬に抱かれる湾入部が様似発祥の地で,ここに築かれた様似漁港を中心に市街地が開け,1937年日高本線が開通して様似川の沖積地に駅を中心とする新市街地が発達した。サケ,マス,カニ,ツブ,カレイなどの水揚げが多く,日高コンブの主産地として知られる。製材などの工場が立地し,競走馬の育成が伸長している。襟裳道立自然公園の入口に当たり,アポイ岳(810m)の高山植物群落は特別天然記念物に指定されている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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