横着(読み)オウチャク

デジタル大辞泉 「横着」の意味・読み・例文・類語

おう‐ちゃく〔ワウ‐〕【横着】

[名・形動](スル)
すべきことを故意に怠けること。できるだけ楽をしてすまそうとすること。また、そのさま。「横着を決め込む」「横着なやりかた」「横着して連絡しない」
わがままで、ずうずうしいこと。ずるいこと。また、そのさま。
「中には―で新しそうなのを選って穿く人もある」〈鴎外・百物語〉
[類語](1怠慢怠惰無精懈怠懶惰怠ける怠るサボるずるけるだらける手を抜く手抜き骨惜しみ無為拱手きょうしゅ便便だらり便便のんべんだらりずぼらものぐさぐうたらだらしないしだらないぬらりくらりのらりくらりぬらくらのらくらだらだらちゃらんぽらんルーズぶらぶらごろごろちんたら無気力のほほん風太郎ぷうたろうその日暮らしふしだら自堕落のろのろもたもたぐずぐず投げ遣りレイジーイージーイージーゴーイング風の吹くまま気の向くまま油を売るまったり漫然たるむぬるま湯ぬるま湯につかる面倒臭い世話煩雑面倒厄介手数てかず手数てすう複雑煩瑣はんさ難しいうるさい煩わしいややこしいやかましいくだくだしいうっとうしいこうるさい気詰まりしち面倒しち面倒臭い難儀煩多錯雑錯綜さくそうしち難しい入り組む込み入る手が込む気が重い気が進まない気乗り薄うんざり億劫おっくう渋る大儀飽き飽き世話が焼ける手が掛かる冗長繁簡ごたごたもつれる入り乱れる紛糾ごっちゃ乱雑雑然/(2勝手わがまま身勝手得手勝手手前勝手自己本位傍若無人好き放題好き勝手気随気ままほしいまま恣意的しいてき利己的エゴイスチック好き自分勝手気任せ奔放自由人を人とも思わない眼中人無し聞く耳を持たない横紙破りふんぞり返る自己中

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精選版 日本国語大辞典 「横着」の意味・読み・例文・類語

おう‐ちゃくワウ‥【横着】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. ずうずうしいこと。ずるいこと。ずるいことを押し通すこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「兄弟の者が年月狙ふた祐経もそれをよく知られたれども横着な人ぢゃぞ」(出典:謡曲・夜討曾我(1480頃))
    2. 「四文のつり取らんといふに、はやなら茶舟を漕ぎだして、遂にこれを横着(ワウチャク)にしける」(出典:浮世草子・日本新永代蔵(1713)四)
  3. 怠けてすべきことをしないさま。骨惜しみをするさま。
    1. [初出の実例]「舟頭と、かれ竹とははしらぬものじやと申が誠じや、あれほどわうちゃくな者はなひ」(出典:虎明本狂言・薩摩守(室町末‐近世初))

横着の語誌

中世になって見られる語。現在では普通「横着」という漢字をあてるが、狂言では「わうちゃく」〔虎明本狂言〕、「おおちゃく」〔狂言記〕などの仮名書きや、「大ちゃく」〔続狂言記〕などが用いられている。一方、「運歩色葉」では「枉着(ワウヂャク)」「誑着(ワウヂャク)」という表記が見られる。現在の表記に定着していった過程、語源などは未詳

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普及版 字通 「横着」の読み・字形・画数・意味

【横着】おうちやく

ずぼら。

字通「横」の項目を見る

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