歌袋(読み)ウタブクロ

デジタル大辞泉 「歌袋」の意味・読み・例文・類語

うた‐ぶくろ【歌袋】

和歌原稿を入れておく袋。檀紙だんしなどで作り、水引を口ひもとして、柱に掛けておく。
鳴嚢めいのう
[補説]書名別項。→歌袋

うたぶくろ【歌袋】[書名]

江戸後期の歌論書。6巻。富士谷御杖ふじたにみつえ著。寛政5年(1793)刊。父の成章なりあきら意見を採用した部分が多く、歌人索引・作例なども収録

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精選版 日本国語大辞典 「歌袋」の意味・読み・例文・類語

うた‐ぶくろ【歌袋】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. カエルのどの左右にあり、鳴く時にふくらませる袋。鳴嚢(めいのう)
      1. [初出の実例]「蛙のなくは、歌をうたふ心也。のむどをふくらめたるが、ふくろに、にたれば、謌袋といへるならし」(出典:名語記(1275)一〇)
    2. 和歌の詠草を入れておく袋。檀紙(だんし)、錦、綾などで作り、水引きを通して座敷の柱に掛ける。
      1. [初出の実例]「うぐひすのほころばすねや哥袋〈貞徳〉」(出典:俳諧・犬子集(1633)一)
  2. [ 2 ] 歌論書。六巻。富士谷御杖(みつえ)著。寛政五年(一七九三)刊。歌論のほか歌人索引、作例などを収める。御杖の業績としては初期のものに属し、父、成章(なりあきら)の見解の祖述がめだつ。

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