此方此方(読み)コチゴチ

デジタル大辞泉 「此方此方」の意味・読み・例文・類語

こち‐ごち【××方】

[代]不定称の指示代名詞。あちこち。あちらこちら。ほうぼう。
「―の国のみ中ゆ出で立てる富士高嶺は」〈・三一九〉

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精選版 日本国語大辞典 「此方此方」の意味・読み・例文・類語

こち‐ごち【此方此方】

  1. 〘 代名詞詞 〙 ( 「こち(此方)」を重ねたもの ) どこと具体的に指さず、不特定の二つ以上の方向ないし領域を指示する(不定称)。あちらこちら。あちこち。ほうぼう。
    1. [初出の実例]「日下部(くさかべ)の 此方(こち)の山と 畳薦(たたみこも) 平群(へぐり)の山の 許知碁知(コチゴチ)の 山の峡(かひ)に 立ち栄ゆる 葉広熊白檮(はびろくまかし)」(出典古事記(712)下・歌謡)

こち【此方】 此方(こち)

  1. こちらへこちらへ。呼びかけに用いて、こちらへ来なさいの意を表わす。
    1. [初出の実例]「ゑみまけて、こちこちとの給へば」(出典:落窪物語(10C後)三)

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