此許・是許(読み)こればかり

精選版 日本国語大辞典 「此許・是許」の意味・読み・例文・類語

これ‐ばかり【此許・是許】

〘名〙 (副詞的にも用いる)
物事の質、量、程度が示されているほどであること。その少なさを強調していうことが多い。これくらい。これほど。これっぱかし。これっぱかり。これっぽっち。
源氏(1001‐14頃)若菜上「御くだ物などちかくまかなひなし『こればかりをだに』といと心くるしげに思てきこえ給ふ」
② 物事を限定することを表わすのに用いる。また、それで終わりであることを示すのにもいう。これきり。これだけ。こればっかり。
※宇津保(970‐999頃)楼上上「心ふかくをかしう、かたちなどもことなむなかりしを、いかでこればかりをありどころをきかましかばたづねてしがな」
③ (「こればかりも…打消語」の形で) ほんの少しも。まったく。普通、強調した語形「これっぱかり」「これんばかり」などを用いる。

これっ‐ぱかり【此許・是許】

〘名〙 (副詞的にも用いる)
洒落本・妓娼子(1818‐30)上「何是っぱかり、独のんでもしれたもんだ」
人情本春色辰巳園(1833‐35)三「是(コレ)っぱかりもほっといふ息をついたこともなく」

これっ‐ぱかし【此許・是許】

〘名〙 (「これっぱかり」の変化した語。副詞的にも用いる。「これっばかし」とも)
空知川岸辺(1902)〈国木田独歩〉二「これっばかしの物を兄弟して争ふなんて余り量見が小さい」
※滑稽本・素人狂言紋切形(1814)下「縫針は猶、何ても遊芸、是(コレ)っぱかしもしらねえといふめえといふ女だぜ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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