歳費(読み)サイヒ

デジタル大辞泉 「歳費」の意味・読み・例文・類語

さい‐ひ【歳費】

1年間の費用
国庫から国会議員に支給される1年間の給与
[類語]支出出金出費出銭でせん失費掛かりつい物入り支払い歳出経費実費雑費決済勘定支弁払い払い込み醵出きょしゅつ醵金きょきん出資先払い前払い後払い未払い不払い追いばら延べ払い一時払い分割払い有る時払い遅払い出世払い

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精選版 日本国語大辞典 「歳費」の意味・読み・例文・類語

さい‐ひ【歳費】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 一年間の費用。
    1. [初出の実例]「立法開院の一両月以前より、歳費の計算、事務の総会など勘査し」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一)
    2. [その他の文献]〔史記‐平準書〕
  3. 国会議員が国庫からうける一年間の給与。
    1. [初出の実例]「各議院の議長は歳費として五千円」(出典:議院法(明治二二年)(1889)一九条)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「歳費」の意味・わかりやすい解説

歳費
さいひ

国会議員に対する支給金のこと。歳費の起源はイギリスにある。 13世紀に各選挙区の代表は議会開会中,選挙区から日当を受けていた。しかし,17世紀末にはこの支給はほとんど行われなくなった。だが,18世紀末頃に議会改革運動の開始とともに,これは「歳費問題」となって再燃した。恒産のない者が議員となるには,国費による給与支給が必要とされたからである。チャーチスト運動は特にこの点を強調した。だが,歳費が正式に認められたのは 1912年のことであった。そして,その頃政治は片手間仕事ではなくなっていたので,歳費は全議員に支給されることになった。日本国憲法は,両院の議員は法律の定めるところにより国庫から相当額の歳費を受けるものと定め (49条) ,国会議員は一般職の国家公務員の最高の給料額より少くない歳費を受ける旨,国会法 35条で定められている。衆参両院の議長内閣総理大臣,また同副議長と国務大臣はそれぞれ同額の俸給を受ける。このほか議員は一定額の通信手当と調査研究費を受ける。また衆参両院の役員 (議長,副議長,仮議長,常任委員長,事務総長) および特別委員長は一定額以内の議会雑目の支給を受ける。

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百科事典マイペディア 「歳費」の意味・わかりやすい解説

歳費【さいひ】

国会議員に対して支給される手当。議員は一般職の国家公務員の最高の給料額より少なくない歳費を受けることが国会法で定められている。衆参両議院議長は内閣総理大臣,同副議長は国務大臣,議員は政務次官のそれぞれの俸給月額に相当する歳費月額を受ける。このほか一定月額の通信交通費(非課税)と,調査研究費および年2回の期末手当がある。さらに両院の役員および特別委員長には国会開会中に限り一定額以内の議会雑費が支給される。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「歳費」の意味・わかりやすい解説

歳費
さいひ

国会議員は、法律の規定によって国庫から相当額の報酬を受けるが、これを歳費という。この権利は憲法上、不逮捕特権、免責特権とともに、議員特権といわれる。歳費は、国会法第35条により、一般職の国家公務員の最高の給料より少なくない額とされている。議員には歳費のほか、旅費、各種手当、諸雑費、退職金、弔慰金その他の給付がなされるが、いずれも公選議員としての議員活動を保障するための経済的給付である。

[山野一美]

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普及版 字通 「歳費」の読み・字形・画数・意味

【歳費】さいひ

年間の費用。

字通「歳」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の歳費の言及

【国会議員】より

…そのほか,討論に参加し,表決に加わる権能等をもっている。また,国会議員は,〈国会議員の歳費,旅費及び手当等に関する法律〉(1947公布)により,一般公務員の最高給料額を下まわらない歳費を国費から受ける(日本国憲法49条,国会法35条)。そのほか,諸手当,議員会館,秘書の便宜が保障されている。…

※「歳費」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」