永源寺(寺)(読み)えいげんじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「永源寺(寺)」の意味・わかりやすい解説

永源寺(寺)
えいげんじ

滋賀県東近江(おうみ)市永源寺高野町にある臨済(りんざい)宗永源寺派本山。山号は瑞石山(ずいせきざん)。1361年(正平16・康安1)近江国(滋賀県)の守護佐々木氏頼(うじより)がこの地に伽藍(がらん)を建て、寂室元光(じゃくしつげんこう)を招じて開山としたのが始まりで、当時は飯高山永源寺、山上寺とよばれた。寂室の徳を慕って全国から集まった雲水は2000人を超えたという。しばしば兵火にかかって衰微したが、江戸時代に東福門院(徳川和子(かずこ))が願主となって、1643年(寛永20)一糸文守(いっしぶんしゅ)(仏頂国師)を招いて再興してから昔日の盛観を取り戻した。明治以来、臨済宗の独立の一派である永源寺派の本山となり、専門道場をもち、百数十の末寺を統轄している。境内には総門、山門、法堂(はっとう)、本堂、開山堂、禅堂、庫裏(くり)、鐘楼などがある。寺宝に塑像(そぞう)の寂室禅師坐像(ざぞう)、禅師遺誡(いかい)、消息、墨跡などがあり、国の重要文化財に指定されている。関西の紅葉三名所の一つで、秋には全山紅葉に包まれる。

菅沼 晃]


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