池庄(読み)いけのしよう

日本歴史地名大系 「池庄」の解説

池庄
いけのしよう

池庄いけしよう付近に比定される奈良大安寺領庄園。建長年間(一二四九―五六)と推定される鯰江庄百姓等申状(東大寺所蔵建治元年跋華厳宗香薫抄草裏文書)に「大安寺御領池庄」とみえ、隣庄の奈良興福寺領鯰江なまずえ(現愛東町)庄民は当庄などの山野から草木を採取していたが、四、五年前から当庄側がこれを禁じたと訴えている。延文二年(一三五七)・同五年にも当庄の乱妨などが訴えられており(同五年九月六日「法印公憲書状」御挙状等執筆引付など)、山野の用益権をめぐる相論が続いたと考えられる。貞治五年(一三六六)七月二九日、曇心は死後当庄内の買得相伝の名田を含空台料所として寄進することを約束している(「曇心寄進状」永源寺文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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