河務村(読み)こうむむら

日本歴史地名大系 「河務村」の解説

河務村
こうむむら

[現在地名]岐宿河務郷こうむごう

岐宿村南東に位置する。いちノ川が流れ、岐宿浦に注ぐ。浦中に前小まえこ島がある。江戸時代は福江藩領岐宿掛に属する。万治二年(一六五九)の惣高積之帳に岐宿領として「かうむ」とみえ、今高三〇石余。万治年間とされる五島一円惣高帳では「かうむ村」として高三〇石余とあり、蔵入二九石余のほかに水神祭分四斗余が記される。安永元年(一七七二)の新田畑改では鬼宿きしく村河務村として一石余とあるので(天保五年福江領高辻郷村帳)、鬼宿(岐宿)村のうちと考えられる。宝暦五年(一七五五)の寺社祠辻堂知行付(五島編年史)に池神がみえ、祭田領九斗余。立花河内たちばなごうちなど周辺に橘の地名が三ヵ所あり、岐宿村などの日向崖ひうらんだつ日向岸ひようがしと関連させて、イザナキが禊を行ったという日向の橘の小門を想定する説がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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