注文(読み)チュウモン

デジタル大辞泉 「注文」の意味・読み・例文・類語

ちゅう‐もん【注文/×註文】

[名](スル)
種類・寸法・数量価格などを示して、その物品製造配達購入などを依頼すること。また、その依頼。「酒の―をとる」「新刊書を―する」
人に依頼したり、自分が希望したりするときにつける条件。「原作者の―にこたえた演出
注進状」に同じ。
文書。かきつけ。
「各々聞き書きの―に子細しさいを載せられたり」〈盛衰記・二七〉
[類語](1発注用命予約申し込みオーダー特注別誂え外注受注頼む/(2希望要求要望要請請求迫る求める頼む請う仰ぐ懇請懇望こんもうする所望ちょうする催告せがむせびるねだる強要強請請託依頼懇願ゆすり請い求め願うリクエストアンコール

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改訂新版 世界大百科事典 「注文」の意味・わかりやすい解説

注文 (ちゅうもん)

日本の古文書の一様式。〈しるしぶみ〉ともいう。ある事柄を調査し,その要件を明細書きにしたメモ。〈一,○○○,一,△△△〉と連記する〈一つ書き〉の形式をとることが多い。主として財物のリストとして作成された目録と相違して,書きあげの対象は人名,人数や物品の数量・種類など,まったく任意であった。また1通で独立した報告書として機能した注進状と異なり,注文は,文書として提出することを予定しない手控えか,明細報告書として上申文書などに添えられた副進文書をも含む。注文が文書様式として発展した時代は中世で,〈交名(きようみよう)注文(人名リスト)〉〈合戦手負注文(負傷者リスト)〉〈支度注文(あつらえものの注文書)〉などの個別的名称も生まれた。ちなみに〈注文(依頼)する〉という動詞形の用法は,この文書様式から生じたものである。
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普及版 字通 「注文」の読み・字形・画数・意味

【注文】ちゆうぶん

注釈の文。

字通「注」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「注文」の意味・わかりやすい解説

注文
ちゅうもん

相撲用語で作戦のこと。特に立ち合いの奇襲作戦の場合によく用いられる。「注文をつける」は「勘定をつける」と同じ。

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世界大百科事典(旧版)内の注文の言及

【注文】より

…主として財物のリストとして作成された目録と相違して,書きあげの対象は人名,人数や物品の数量・種類など,まったく任意であった。また1通で独立した報告書として機能した注進状と異なり,注文は,文書として提出することを予定しない手控えか,明細報告書として上申文書などに添えられた副進文書をも含む。注文が文書様式として発展した時代は中世で,〈交名(きようみよう)注文(人名リスト)〉〈合戦手負注文(負傷者リスト)〉〈支度注文(あつらえものの注文書)〉などの個別的名称も生まれた。…

※「注文」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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