洗立(読み)あらいたてる

精選版 日本国語大辞典 「洗立」の意味・読み・例文・類語

あらい‐た・てる あらひ‥【洗立】

〘他タ下一〙 あらひた・つ 〘他タ下二〙 (「あらいだてる」とも。「たてる」は、ことさらに…する、の意を表わす)
① くりかえし念を入れて洗う。じゅうぶんに洗う。
※前田本枕(10C終)二〇〇「童べの、かしらばかりあらひたてつつ、なりはなえほころびがちにうちみだれて」 〔日葡辞書(1603‐04)〕
他人品行悪事などの真相を探り出して、ことさらにあばき出す。内情をあばきたてる。
青春(1905‐06)〈小栗風葉〉秋「二言目には那事(あのこと)を洗立(アラヒタ)てて」

あらい‐たて あらひ‥【洗立】

〘名〙
① (「たて」は、動作が終わったばかりである、の意を表わす) 洗い終わって、まだ時間があまりたたないこと。洗ったばかりであること。または、そのもの。
※ケーベル先生(1911)〈夏目漱石〉「洗(アラ)ひ立(タ)ての白いものが手と首に着いてゐるのが正装なら」

あらい‐だて あらひ‥【洗立】

〘名〙 他人の品行や悪事などの真相を探り出して、ことさらにあばき出すこと。穿鑿(せんさく)。あらいたて。
※雑俳・柳多留‐七五(1822)「洗ひ立せぬがきれいな嫁姑」
※かのやうに(1912)〈森鴎外〉「併(しか)しかう云ふことを洗立(アラヒダテ)をして見た所が」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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