洟垂(読み)はなたらし

精選版 日本国語大辞典 「洟垂」の意味・読み・例文・類語

はな‐たらし【洟垂】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 鼻汁をたらしていること。また、その者やその年頃子ども。はなったらし。はなたれ。はなたり。
    1. [初出の実例]「赤い帯を締めて押絵の剥げた羽子板を持つ鼻垂(ハナタ)らしの子が」(出典:あたらよ(1899)〈内田魯庵〉)
  3. ( 転じて ) 年若く経験の浅い者をあざけっていう語。
  4. 意気地のない人をあざけっていう語。また、愚か者。
    1. [初出の実例]「武藤新三郎のはなたらしめが、出頭にまかせ氏真公をだましまいらせ」(出典:甲陽軍鑑(17C初)品三四)

はなっ‐たらし【洟垂】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「はなたらし(洟垂)」の変化した語 )
  2. はなたらし(洟垂)
    1. [初出の実例]「みつだんへ鼻ッたらしが茶をはこび」(出典:雑俳・川柳評万句合‐安永元(1772)桜二)
  3. 意気地のないもの。また、間のぬけた男、女に甘い男をののしっていう。
    1. [初出の実例]「鼻(ハナッ)たらしめらといふと、門のわきから、ベラボウメ」(出典:咄本・仕形噺(1773)ばけもの)

はな‐たれ【洟垂】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 洟をたらすこと。洟をたらした子ども。また、経験の浅い人。未熟な人。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「精米屋は骨折り、かせいで居る〈略〉かれの妻と三人のをとこの鼻たれのために」(出典:めくら草紙(1936)〈太宰治〉)
  3. 鼻汁。
    1. [初出の実例]「洟は鼻たれぞ」(出典:日本書紀桃源抄(15C後))

はな‐たり【洟垂】

  1. 〘 名詞 〙はなたらし(洟垂)〔享和本新撰字鏡(898‐901頃)〕

はな‐だら【洟垂】

  1. 〘 名詞 〙 鼻汁をたらしていること。また、その人。転じて、ばか者。あほう。〔日葡辞書(1603‐04)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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