海狸香(読み)かいりこう

精選版 日本国語大辞典 「海狸香」の意味・読み・例文・類語

かいり‐こう ‥カウ【海狸香】

〘名〙 北アメリカ産のビーバー海狸)の生殖器に連接する嚢の内容物を粉末にしたもの。淡黄色で特異な香気と、強い苦味があり、鎮痙・鎮痛剤とする。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「海狸香」の意味・わかりやすい解説

海狸香 (かいりこう)

カストリウムcastoreumともいう。ビーバー(海狸)の雌雄包皮腺を乾燥した香料物質。強い動物臭があるが,うすめると芳香を発する。香成分は未確定であるが,エチルアルコール可溶赤褐色の樹脂状物質を40~70%,微量安息香酸サリン,4~5%のカストリンを含む。かつては重要な香料原料であったが,ビーバーはその毛皮が優秀なため乱獲されて著しく減少したため,実用に供されることは少なくなった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「海狸香」の意味・わかりやすい解説

海狸香【かいりこう】

カストリウムとも。ビーバーの雌雄の包皮腺を乾燥したもの。強い動物臭があるが,うすめると芳香を発する。香成分は未確定であるが,エタノールに可溶の赤褐色の樹脂状物質40〜70%,微量の安息香酸,および4〜5%のカストリンを含む。かつては香料の原料とされたが,ビーバーが乱獲のため減少し,現在は実用に供されることは少ない。
→関連項目香料

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android