海老坂峠(読み)えびざかとうげ

日本歴史地名大系 「海老坂峠」の解説

海老坂峠
えびざかとうげ

海老谷えびだに集落の北方にある峠(四八〇メートル)若狭街道が通り、板橋いたばし宮脇みやわき(現北桑田郡美山町)に至る。

この峠から現北桑田郡美山みやま町を北上し福井県小浜おばま市に至る街道近辺には蓮如の教化の結果真言宗から転宗したという寺伝をもつ寺院が多い。文明七年(一四七五)吉崎よしざき(現福井県坂井郡金津町)を退去した時の道中を、蓮如は「仮名法語」(御文)のなかで「去文明七年乙未八月下旬之比(中略)若狭小浜ニ船ヲヨセ、丹波ツタイニ摂津ノ国ヲトヲリ」と記し、また「蓮如上人行状記」にも「丹波ノ国ヲ通リ、摂州萩谷ト云フ山中ヲ越エ、富田ニシハラク御逗留アツテ」とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報