淡淡しい(読み)アワアワシイ

デジタル大辞泉 「淡淡しい」の意味・読み・例文・類語

あわあわ‐し・い〔あはあは‐〕【淡淡しい】

[形][文]あはあは・し[シク]形容詞あわい」を強めた語》
味や色などが薄い。また、ほのかである。
手足の色は白くあるいは―・い栗色をしている」〈中野重治・歌のわかれ〉
「この青年一種の―・い愛を覚えた」〈有島或る女
軽薄で気まぐれである。軽々しい思慮分別に乏しい。
宮仕へする人を―・しう悪きことに言ひ思ひたる男などこそ、いと憎けれ」〈・二四〉
[類語]薄い浅い淡い薄める薄れる薄らぐ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「淡淡しい」の意味・読み・例文・類語

あわあわ‐し・いあはあは‥【淡淡】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]あはあは〘 形容詞シク活用 〙 ( 形容詞「あわい」を強調した語 )
  2. 思慮もなく浅はかである。かるがるしい。うわついている。
    1. [初出の実例]「多くとくあるよき人をも聞きすごし、我が子をや人笑はれにあはあはしく思はせむ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)嵯峨院)
    2. 「心よりほかにあはあはしく人におとしめらるる宿世あるなん」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
  3. 色などが非常に薄い。また明瞭でなく、ほのかな感じである。
    1. [初出の実例]「何となく穏かな淡々(アハアハ)しい色」(出典武蔵野(1898)〈国木田独歩〉六)
    2. 「この青年に一種の淡々(アハアハ)しい愛を覚えた」(出典:或る女(1919)〈有島武郎〉前)
  4. 扱い方などがあっさりとしている。
    1. [初出の実例]「其脚色は淡々(アハアハ)しくして」(出典:小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉上)

淡淡しいの語誌

→「あわつけし(淡)」の語誌

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