漢才(読み)カラザエ

デジタル大辞泉 「漢才」の意味・読み・例文・類語

から‐ざえ【才】

《「さえ」は「さい」の音変化》中国学問に通じていて、漢詩文を作ることに巧みなこと。また、その才能かんさい
「―はよくて、詩などは、いみじく作られけれど」〈愚管抄・三〉

かん‐ざい【漢才】

《「かんさい」とも》漢学の才。漢籍に精通し、巧みに詩文を作る能力。からざえ。かんざえ。「和魂漢才

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精選版 日本国語大辞典 「漢才」の意味・読み・例文・類語

から‐ざえ【漢才】

〘名〙 漢籍に通じ漢詩文を作るのが巧みなこと。また、その才能。かんざい。
※愚管抄(1220)三「内大臣伊周、人がら、やまと心ばへはわろかりける人なり。唐才はよくて、詩などはいみじく作られけれど」

かん‐ざい【漢才】

〘名〙 (「かんさい」とも) =からざえ(漢才)
※愚管抄(1220)二「漢才殊に、御学問あて、詩作り雑筆など好みて」

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世界大百科事典(旧版)内の漢才の言及

【大和魂】より

…その際,〈才(ざえ)を本(もと)としてこそ,大和魂(やまとだましい)の世に用ひらるゝ方(かた)も,強う侍らめ〉と述べている。ここでは(1)大和魂は才(漢学の素養,漢才(からざえ))と反対の概念をなしていること,(2)本(もと)が才であり,したがって,末に位置するものが大和魂であること,(3)大和魂の属性として〈世に用ひらるゝ方〉すなわち処世的手腕・功利主義的判断能力が考えられていたこと,この三つの特性が認められる。従来の源氏注釈家たちは,〈大和魂〉について,世才,良識,先天的にそなわった気ばたらき,融通のきく常識的政治判断,世渡りの才能,交際上手,如才なさ,実人生に対する理解力,などの解釈を与えている。…

※「漢才」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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