潜く(読み)カズク

デジタル大辞泉 「潜く」の意味・読み・例文・類語

かず・く〔かづく〕【潜く】

《「被く」と同語源》
[動カ四]
水中にもぐる。
「にほ鳥の―・く池水心あらば君にが恋ふる心示さね」〈・七二五〉
水にもぐって、魚や貝などをとる。
伊勢あまの朝な夕なに―・くといふあはびの貝の片思かたもひにして」〈・二七九八〉
[動カ下二]水中にもぐらせる。
上つ瀬八つ―・け」〈・三三三〇〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「潜く」の意味・読み・例文・類語

かず・くかづく【潜】

  1. ( 「かずく(被)」と同語源。「かつぐ」とも )
  2. [ 1 ] 〘 自動詞 カ行四段活用 〙 水中に頭からくぐり入る。水の中にもぐる。
    1. [初出の実例]「鳰鳥(みほどり)の 加豆伎(カヅキ)息づき」(出典古事記(712)中・歌謡)
  3. [ 2 ] 〘 他動詞 カ行四段活用 〙 水中にもぐって魚介などをとる。水にもぐってさがす。
    1. [初出の実例]「伊勢の白水郎(あま)の朝な夕なに潜(かづく)といふ鰒(あはび)の貝の片思(かたもひ)にして」(出典:万葉集(8C後)一一・二七九八)
  4. [ 3 ] 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙 魚介などをとらせるために水にもぐらせる。多く鵜(う)についていう。
    1. [初出の実例]「上つ瀬に 鵜を八頭漬(かづけ)」(出典:万葉集(8C後)一三・三三三〇)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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