火山砕屑物(読み)カザンサイセツブツ(その他表記)pyroclastic material

精選版 日本国語大辞典 「火山砕屑物」の意味・読み・例文・類語

かざん‐さいせつぶつクヮザン‥【火山砕屑物】

  1. 〘 名詞 〙 火山の噴火によって噴出する大小の岩片火山岩塊火山礫、火山灰、火山弾、軽石、岩滓(がんさい)など。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「火山砕屑物」の意味・わかりやすい解説

火山砕屑物
かざんさいせつぶつ
pyroclastic material

火山の噴火によって地表に噴出した火山噴出物のうち,固体をなす物質の総称。火砕物,テフラともいう。大きさや外形(構造)によって分類され,直径 2mm以下の粒子状のものを火山灰,直径 2~64mmのものを火山礫ラピリ),直径 64mm以上のものを火山岩塊といい,特徴的な外形をもつものは,火山弾軽石浮石),スコリア(岩滓)などとして分類される。火山砕屑物と同義語のテフラ tephraは,風に乗って降下する物質,多くは火山灰をさす。しかし火山灰は 2mm以下と定義されているため,高い噴火雲から落下して広範囲に層を形成する灰状粒子をテフラと呼ぶようになった。火山砕屑物には,噴火に直接関係するマグマから導かれた本質物質(→本質鉱物)のほかに,噴火を引き起こしたマグマと近縁関係にあり,すでに火山体を構成している古い噴出物である類質物質,火山物質であるが同マグマとは成因が無関係な岩石に由来する異質物質が含まれる。また,火山砕屑物が再び膠結して生じたものを火山砕屑岩(火砕岩)という。

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最新 地学事典 「火山砕屑物」の解説

かざんさいせつぶつ
火山砕屑物

volcaniclastic material

破片状の火山噴出物の総称。個々の破片は火山砕屑粒子,それらが集積したものは火山砕屑堆積物という。破砕過程や移動媒体,堆積環境,非火山性粒子との混合比の如何は問わない。爆発的噴火で発生する火砕流・火砕降下のほか,流動する溶岩自破砕や水冷破砕,マグマと含水堆積物との混合,火山や地層の斜面崩壊,天水による再移動などによってもたらされる。火山防災上,火砕降下と火砕流および降灰後の火山泥流では,災害の特徴や対策が大きく異なる。なお,爆発的噴火で生ずるものを形容するpyroclasticはvolcaniclasticとの混同を避けるため「火砕」とすることが望ましい。参考文献R.V.Fisher et al.(1984) Pyroclastic Rocks, Springer-Verlag

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参照項目:火砕物

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「火山砕屑物」の意味・わかりやすい解説

火山砕屑物
かざんさいせつぶつ

火山噴火で放出された破片状の固体物質。火砕物ともいう。爆発型噴火で火口から直接空中に放出されたものや、火砕流や岩屑なだれとして山腹を流れたものがある。粒度により、火山灰(直径2ミリメートル以下)、火山礫(れき)(直径2~64ミリメートル)、火山岩塊(直径64ミリメートル以上)に大別する。空中に放出されたときにまだ流動的であった火山岩塊や火山礫を火山弾とよび、パン皮状、紡錘状、球状、リボン状などの特定の構造をもつ。溶岩が毛髪状に引き伸ばされたものを火山毛、涙粒(るいりゅう)状のものを火山涙とよぶ。多孔質な火山砕屑物のうち、明色で二酸化ケイ素に富むのを軽石(浮石)、暗色で二酸化ケイ素の乏しいのをスコリア(岩滓(がんさい))という。火山砕屑物には、マグマが直接に噴出したものと、既存の火山体や基盤の岩石の破片とがある。水蒸気爆発では後者だけが放出される。

諏訪 彰・中田節也]

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岩石学辞典 「火山砕屑物」の解説

火山砕屑物

火口から形成された固まっていない,または緻密な岩片の物質の一般の名称で,火山角礫岩,凝灰岩,火山灰,集塊岩などが含まれる[Hunt : 1887, Blyth : 1940].火山の噴火により放出された火山放出物が多数集まって固結したものを火山砕屑岩といい,その中には熔岩と一見区別のつかないものがある.また火山砕屑岩のでき方により,いったん空に上がってから落ちて固まった降下火山砕屑物(pyroclastic fall)と,火口から流れて溜まった火山砕屑流(pyroclastic flow)とがある(久野 : 1954, Wentworth & Williams : 1932, Fisher : 1961).ギリシャ語のpyrは火,klastosは破片に壊れるという意味である.

火山砕屑物

噴火や放出による火山岩の岩片で,風化作用や堆積作用を受けていないものをいう.凝灰岩,火山性集塊岩などが含まれる[Hunt : 1887, Hatch : 1888].ギリシャ語のpyrは火を,klastosは破片に壊れるという意味.⇒火山砕屑岩(4.9.1)

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世界大百科事典(旧版)内の火山砕屑物の言及

【火山】より

…したがって,噴火記録の有無で休火山,死火山を分けることは本質的な意味が少ない。近年はテフロクロノロジー(火山砕屑物,とくに降下火山灰による編年学)や放射性炭素年代決定法によって過去の活動史を調べる方法が行われるようになった。これらの方法は,休火山,死火山を客観的に判定する有力な手段である。…

※「火山砕屑物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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