無抵抗主義（読み）ムテイコウシュギ

デジタル大辞泉

むていこう‐しゅぎ〔ムテイカウ‐〕【無抵抗主義】

社会的不正・圧政などに対して、非暴力的手段によって抵抗する主義。トルストイ・ガンジーなどが主張。非暴力主義。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

むていこう‐しゅぎ ムテイカウ‥【無抵抗主義】

〘名〙 社会的な不正、特に権力者の不正に対して、暴力を用いないで、自分の主張を通そうとする主義。柔和と謙譲とによって、相手を人道的に感化しようとする考え方。非暴力的抵抗。ロシアのトルストイやインドのガンジーらが主張。→サチャグラハ。

※論理的遊戯を排す（1907）〈長谷川天渓〉「其の無抵抗主義、博愛主義で、此の娑婆の種々相が説明し得るであらうか」

出典　精選版 日本国語大辞典

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

無抵抗主義
むていこうしゅぎ

圧政による軍，警察の暴力行使に対して抵抗しないとする考えをいう。反抗運動の一つの方法である。これは多くの場合宗教的信念に基づいている。トルストイやガンジーがそうであった。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

日本大百科全書(ニッポニカ)

無抵抗主義
むていこうしゅぎ

→非暴力主義

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

世界大百科事典（旧版）内の無抵抗主義の言及

【コスモポリタニズム】より

…しかし，こうした主張は隠遁主義と結びつく一方，現実には帝国への忠誠の概念を包蔵していた。この考えを実質的に推し進めたのが原始キリスト教の無抵抗主義の唱道であり，ローマの軍国主義に対して平和的手段をとることは人間の基本的な義務であるとし，国家の権威の上に良心の権威をおいた。この思想は古代末期にいたってアウグスティヌスの《神の国》で神の浄福に輝く共同社会という形で，さらに，トマス･アクイナスの《君主統治について》の中では，数個の都市国家を包含する王国regnumを中世的帝国の合理的原則の体現とみなす考えとして示された。…

※「無抵抗主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」