熱・余熱(読み)ほとぼり

精選版 日本国語大辞典 「熱・余熱」の意味・読み・例文・類語

ほとぼり【熱・余熱】

〘名〙
① さめきらないで残っている熱。余熱。ほとおり。
恋慕ながし(1898)〈小栗風葉〉二四「余熱(ホトボリ)の残った灰を」
② 熱した感情の余勢。興奮の余波。ほとおり。
塩原多助一代記(1885)〈三遊亭円朝〉一〇「人間と云ふものは少し熱気(ホトボリ)が脱(ぬけ)ると苦しい事は忘れてしまふものだから」
③ 事件などに関して、事後に引き続いてもつ世間の注目や関心。
※雑俳・柳多留拾遺(1801)巻八下「ほとほりをぬく内むすめかかり人」
[語誌](1)元来は「ほとほる」の連用形の名詞化「ほとほり」で、「ほとほる」は「ほ(火)+とほる(通)」と考えられている。
(2)中世には「ホトヲル」「ホトヲリ」と読まれていた(「色葉字類抄」「日葡辞書」)が、一方、中世末から灯がつく意の「とぼる(点)」が用いられるようになって「ほとほる」が「ほ(火)+とぼる(点)」と解され、濁音形の「ほとぼり」が出現したと考えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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