熱・熅(読み)いきる

精選版 日本国語大辞典 「熱・熅」の意味・読み・例文・類語

いき・る【熱・熅】

〘自ラ四〙
① あつくなる。ほてる。むしむしする。→熱(いき)れる
※観智院本三宝絵(984)下「七の病を除くといふは、〈略〉さむくひゆる事を除く、あつくいきる事を除くと、あかのきたなきことを除くと」
② 息づかいを荒くして怒る。相手と争おうとしていきまく。言いたてる。
咄本・わらいくさ(1656)下「さてもりょぐゎいを云、しかとくさいと云かよ、さらば、かがしようとて、いきれば」
調子に乗って勢いこむ。元気づく。
※舞正語磨(1658)上「惣じて立居かしこくして、はねいきりたる翁なり」

いきれ【熱・熅】

〘名〙 (動詞「いきれる(熱)」の連用形名詞化) むされるような熱気やにおい。むしあつさ。
※俳諧・炭俵(1694)上「門(もん)で押るる壬生念仏芭蕉東風(こちかぜ)に糞(こへ)のいきれを吹まはし〈芭蕉〉」

いき・れる【熱・熅】

〘自ラ下一〙 熱くなる。熱気でむっとする。むし暑くなる。むれる。いき(熱)る。
随筆裏見寒話(1753)付録「いきれる 暑き事」
千曲川スケッチ(1912)〈島崎藤村〉一「今は木が低いから、夏はいきれていけません」

いきり【熱・熅】

〘名〙 (動詞「いきる(熱)」の連用形の名詞化) いきれること。また、いきれるもの。熱っぽい空気
※俳諧・望一後千句(1652)七「残るあつさのいきりあるころ 大火たく煙は霧にむすほふれ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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