物足(読み)ものたりない

精選版 日本国語大辞典 「物足」の意味・読み・例文・類語

もの‐たり・ない【物足】

連語〙 (動詞「たりる(足)」に打消の助動詞「ない」の付いた「たりない」に、接頭語「もの」の付いたもの) 何となく不十分である。どこか不満である。何か不足である。ものたらない。ものたらぬ。ものたりぬ。
女難(1903)〈国木田独歩〉三「おさよの顔を見ないと物足りないやうになりました」
ものたりな‐げ
〘形動〙
ものたりな‐さ
〘名〙

もの‐たら・ない【物足】

草枕(1906)〈夏目漱石〉一〇「物足らないと迄は気が付くが、どこが物足らないかが、吾ながら不明である」
ものたらな‐さ
〘名〙

もの‐た・りる【物足】

〘自ラ上一〙 (「もの」は接頭語) 満足する。十分だと思う。
※こゝろ(1914)〈夏目漱石〉下「物足(モノタ)りる迄追窮する勇気を有(も)ってゐなかったのです」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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