特別損益(読み)トクベツソンエキ

デジタル大辞泉 「特別損益」の意味・読み・例文・類語

とくべつ‐そんえき【特別損益】

企業通常の活動以外の特別な要因によって一時的に発生した損益で、金額が大きいもの。損益計算書区分の一つ。長期保有目的の有価証券固定資産などの売却損益、災害による損失などが含まれる。経常損益営業損益営業外損益合計)から特別損益を差し引いたものが、税引前当期純利益(損失)となる。→特別利益特別損失

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百科事典マイペディア 「特別損益」の意味・わかりやすい解説

特別損益【とくべつそんえき】

損益計算書および企業会計原則で規定されている損益計算。企業の経常的な活動による損益ではなく,具体的には災害による損失,土地など固定資産の売却損益,前期損益修正過年度の償却済債権の回収益減価償却の過不足修正額など)等の損益をいう。損益計算書では特別損益の部が設けられ,損益の内容を表す名称を記載しなければならない。企業会計原則では,(1)臨時損益(災害による損失など),(2)前期損益修正,と具体的に特別損益に属する項目がある。ただし,小額の損益や経常的に発生する損益は経常損益に加算してもよいとされる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「特別損益」の意味・わかりやすい解説

特別損益
とくべつそんえき
extraordinary gains or losses

企業の正常な経営活動に関連して毎期規則的・反復的に発生する収益と費用以外の損益項目をいい,(1) 過年度に計上した減価償却費の修正や,過年度に設定した引当金の過不足修正など,前期損益修正に該当する項目,(2) 災害損失固定資産売却損益などの臨時項目から成る。人員整理業績不振な子会社の整理から臨時的に生じる多額の損失およびそれを埋めるために売却された土地や有価証券から得られた利益は,特別損益として計上されるから,これに着目することで,経営再建やリストラクチャリングなどの経営戦略を知ることができる。

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会計用語キーワード辞典 「特別損益」の解説

特別損益

特別損益とは、非経常的な損益のうち、臨時・巨額のものをいいます。逆に金額が小さいものや、毎期経常的に発生するものは営業外損益に含められます。特別損益に属する主なものには、臨時損益と前期損益修正がありますが、他にも保険差益や役員退職慰労金があります。

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世界大百科事典(旧版)内の特別損益の言及

【営業利益】より

…営業利益の計算は,一般には,純売上高(総売上高から売上値引・売上戻り高などを控除したもの)から売上原価を差し引いて売上総利益(=粗利益)を算出し,その売上総利益から一般管理費・販売費を差し引いて営業利益を算出する形でなされる。営業利益に,おもに財務上の収益・費用からなる営業外損益を加減したものが経常利益で,それに特別損益(臨時損益,前期損益修正項目,商法による引当金の目的外取崩額など)を加減して当期純利益(期間利益)が算定される。【前田 貞芳】。…

【経常利益】より

…また現行商法下では,処分できる利益を計算する際に,引当金の目的外取崩額などを考慮しなければならない。これらの臨時損益,前期損益修正項目,引当金の目的外取崩額は特別損益と呼ばれ,その額を経常利益に加減したものが,当期の処分できる利益となる。このように,性質のいかんを問わず,当期に発生したすべての損益を重視する考え方が当期業績主義に対し包括主義と呼ばれる。…

※「特別損益」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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