犬飼城山(読み)いぬかいじようやま

日本歴史地名大系 「犬飼城山」の解説

犬飼城山
いぬかいじようやま

[現在地名]松本市蟻ヶ崎

松本城の西北にあり、犬甘城山とも書かれる。城地は城山丘陵の南の突端にあり、主郭部の標高は六七二メートル、周囲の平地からはおよそ一五〇メートルの高所にある。現在は正式には松本城山といい、城山公園として市民に親しまれている。頂上部からの眺望はよく、東方に松本城、その東に山辺やまべ谷を経ておうはな(二〇〇三メートル)、その南に筑摩山脈の主峰鉢伏はちぶせ(一九二九メートル)を、また東南には塩尻しおじり峠、南方には塩尻市街部を経て、木曾谷の入口をのぞむ。西方には犬飼島の水田地帯を経て北アルプスの連山、北から白馬はくば(二九三三メートル)やりヶ岳(三一八〇メートル)穂高ほたか(最高峰の奥穂高岳は三一九〇メートル)乗鞍のりくら(三〇二六メートル)がみられ、建武年間(一三三四―三八)以来松本に守護大名として進出した小笠原氏支配下の地域も眼下に一望される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報