猪鍋(読み)シシナベ

デジタル大辞泉 「猪鍋」の意味・読み・例文・類語

しし‐なべ【×猪鍋】

牡丹ぼたん」に同じ。 冬》

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精選版 日本国語大辞典 「猪鍋」の意味・読み・例文・類語

しし‐なべ【猪鍋】

  1. 〘 名詞 〙(いのしし)の肉、野菜などを入れて煮込んだ鍋料理。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「ザクは葱、大根、豆腐それに名物の生椎茸。味噌を入れてのしし鍋という趣向だ」(出典:旅‐昭和三二年(1957)二月号・季節の味覚をもとめて〈加藤悦二〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「猪鍋」の意味・わかりやすい解説

猪鍋
ししなべ

イノシシ(猪)の肉にネギなどの野菜を加えて、みそ仕立てにした鍋料理。別名ぼたん鍋は「牡丹(ぼたん)に唐獅子(からじし)」の唐獅子を猪(しし)にこじつけたもの。江戸中期、江戸の麹(こうじ)町平河町に山奥屋、両国に豊田屋、湊(みなと)屋などの野獣肉屋(ももんじ屋と総称)ができ、江戸の人はここでイノシシシカなどの肉を買って鍋料理にして食べていた。イノシシは猪(い)の肉(古訓シシ)の意で、シシは肉あるいは獣肉の総称であるが、猪の肉は格別味がいいのでイノシシの固有名詞になった(鹿(しか)肉はカノシシという)。山奥屋のイノシシは有名で、愛好者も多かったらしく、「腑分(ふわ)けのやうに切ってゐる山奥屋」と江戸後期の川柳(せんりゅう)にも詠まれている。イノシシは北海道以外の各地でとれ、猪鍋は関西、九州などで盛んである。鹿児島名物の煮物料理しゅんかんは、猪肉(現在は豚肉)を加えることで知られる。

多田鉄之助

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「猪鍋」の解説

いのししなべ【猪鍋】

いのしし肉を入れた鍋料理。野菜・きのこ類・豆腐・こんにゃくなどとともに煮込む。砂糖・みりんを加えたみそ仕立てにすることが多い。◇「ぼたん鍋」「しし鍋」ともいう。

ししなべ【猪鍋】

いのしし鍋。⇒いのしし鍋

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