玉垣村(読み)たまがきむら

日本歴史地名大系 「玉垣村」の解説

玉垣村
たまがきむら

[現在地名]鈴鹿市北玉垣きたたまがき町・東玉垣ひがしたまがき町・西玉垣にしたまがき町・南玉垣みなみたまがき町・末広すえひろ

神戸かんべ城下の南東方、金沢かなさい川とその支流田古知たこち川に挟まれた地域で、岸岡山きしおかやま丘陵西北、河曲郡平野の条里制地域の南端に位置し、集落内を通る伊勢参宮街道も直角に曲がっている。平安時代からの伊勢神宮御厨で、建久三年(一一九二)八月の神領注文(神宮雑書)に「玉垣御厨」と記され、以後しばしば現れる。文禄検地帳を転記したと思われる伊勢国中御検地高帳には「千五百八拾壱石壱斗四升 玉垣之郷」とある。

江戸時代を通じて津藩領であったが、神宮との間に古くから行われていた糀調進が続いていたので、御厨の名を使用している。その起源はわからないが、一時中絶していたのが再興されたのは明和九年(一七七二)で、守秀長官日次記(神宮文庫蔵)同年六月四日条には、神宮政所への「乍恐言上」として「北伊勢河曲郡玉垣村糀室之儀は従往古玉垣御厨之糀と申、太神宮三祭礼ニ調進之仕候、此儀は於当国玉垣・中万・垂坂是を伊勢之三糀と称来」ったもので、他所では許されないこと、これより六月・九月・一二月の祭礼に糀五升ずつ、年間計一斗五升を献上することを約している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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