王寺(読み)ぎおうじ

日本歴史地名大系 「王寺」の解説

王寺
ぎおうじ

[現在地名]右京区嵯峨鳥居本小坂町

小倉おぐら山の東麓にあり、往生おうじよう院跡にあたる。往生院は法然の弟子念仏房良鎮の創立と伝えるが、中世以降荒廃していたのを「平家物語」「源平盛衰記」の遺跡として明治に復興し、往生院祇王寺と名付けた。真言宗大覚寺派の尼寺で、本尊大日如来。「平家物語」巻一によると、白拍子祇王は平清盛寵愛をうけたが、加賀の白拍子仏御前に寵を奪われた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「王寺」の意味・わかりやすい解説

王寺[町] (おうじ)

奈良県北西部,北葛城郡の町。人口2万2182(2010)。奈良盆地の中西部にあたり,北側を大和川が流れ,西は大阪府と接する。大和川が大阪平野へ流れ出る出口に位置し,古くからの交通の要所であった。明治後期から大正にかけて鉄道が開通し,交通の町としてさらに発展した。中心市街地は町の北端にある王寺駅北側に展開するが,王寺駅はJR和歌山線,関西本線,近鉄生駒線,田原本(たわらもと)線の分岐点であり,商店街は近隣町村を含めた商圏の中心となっている。大阪に近いことから住宅地化が進み,ことに南部丘陵地では大規模な住宅地開発が進められている。聖徳太子ゆかりの達磨寺,古くは片岡王寺,片岡僧寺と呼ばれた放光寺,大宮と呼ばれる片岡神社などがある。
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