珍重(読み)チンチョウ

デジタル大辞泉 「珍重」の意味・読み・例文・類語

ちん‐ちょう【珍重】

[名](スル)
珍しいものとして大切にすること。「酒のさかなとして珍重される食品
自分を大切にすること。手紙文自重自愛をすすめる語。
めでたいこと。祝うべきこと。
源六を討ち取る事―の至りなり」〈浄・頼光跡目論〉
[類語]貴重得難い珍しい貴い稀有高貴大切重要異色異彩珍貴珍稀大事だいじ肝要肝心緊要枢要かなめきも肝心要有意義意義深い千金耳寄り掛け替えのない

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精選版 日本国語大辞典 「珍重」の意味・読み・例文・類語

ちん‐ちょう【珍重】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) ( ━する ) めずらしくて大切なこと。めずらしいものとして大切にすること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「珍重馮三益、従今慰九腸」(出典:田氏家集(892頃)中・和野秀才秋夜即事見寄新詩)
    2. 「其眼は人間の珍重する琥珀といふものよりも遙かに美しく輝いて居た」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一)
    3. [その他の文献]〔徐鉉‐以端渓硯酬張員外水精珠兼和来篇詩〕
  3. ( 形動 ) めでたいこと。祝うべきこと。結構なこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「一飡算計前程事、珍重童顔二百春」(出典:菅家文草(900頃)五・廬山異花詩)
  4. ( ━する ) 自分を大切にすること。自重すること。書簡などに用いて、相手に自重自愛をすすめる語。
    1. [初出の実例]「入京日、必専候、面披聞、珍重珍重、高雄寺金剛道場持念沙門遍照金剛状上、暮春十九日」(出典:性霊集‐三(835頃)与新羅道者化来詩)
    2. [その他の文献]〔王僧孺‐与何炯書〕
  5. ( 形動 ) 和歌・連歌や俳諧などで用いるほめことば。非常にすぐれていること。また、その作品につける評語。俳諧の評点としては、長点と平点の中間の点とされた。
    1. [初出の実例]「故郷のよしのの山は雪消てひとひもかすみたたぬ日はなし 只此等之躰にこそ、歌は候へきと承候しか。尤珍重候」(出典:宗尊親王三百首(1260頃))

珍重の補助注記

僧徒の間で多く使用され、唐音で「シンジュン」とも読まれた。

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普及版 字通 「珍重」の読み・字形・画数・意味

【珍重】ちんちよう

大切にする。また、書語として、自愛を求める語。唐・劉禹錫〔劉馬(ふば)、水亭に暑を避く〕詩 盡日逍遙して、煩く 再三珍重せよ、

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