田村虎蔵(読み)たむらとらぞう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「田村虎蔵」の意味・わかりやすい解説

田村虎蔵
たむらとらぞう
(1873―1943)

作曲家、音楽教育家。鳥取県(現在の岩美(いわみ)町馬場)に生まれる。1895年(明治28)東京音楽学校を卒業し、その後25年間、東京高等師範学校教鞭(きょうべん)をとる。言文一致唱歌を提唱し、『尋常小学唱歌』(1905)、『高等小学唱歌』(1906)などを編纂(へんさん)。彼の作曲による『花咲爺(はなさかじじい)』『金太郎』『一寸法師(いっすんぼうし)』『浦島太郎』などは広く愛唱され、大正時代の童謡歌曲の先駆となった。

[柴田典子]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「田村虎蔵」の解説

田村虎蔵 たむら-とらぞう

1873-1943 明治-昭和時代前期の音楽教育家,作曲家。
明治6年5月24日生まれ。母校東京音楽学校(現東京芸大)と東京高師でおしえる。したしみやすい言文一致唱歌を提唱し,納所(のうしょ)弁次郎らと「幼年唱歌」「尋常小学唱歌」などを編集。「うらしまたろう」「キンタロウ」「はなさかじじい」などを作曲。昭和18年11月7日死去。71歳。鳥取県出身。

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世界大百科事典(旧版)内の田村虎蔵の言及

【鉄道唱歌】より

…作詞は大和田建樹(たけき)。作曲は多梅稚(おおのうめわか)のものがよく知られているが,東海道(1集),山陽・九州(2集)がそれぞれ多と上真行(かみさねみち),奥州線~磐城線(3集)が多と田村虎蔵,北陸地方(4集)が納所弁次郎と吉田信太,関西参宮南海各線(5集)が多。《島船あそび》(奥好義(おくよしいさ)曲),《奈良めぐり》(目賀田万世吉(めかだませきち)曲)の挿入歌がある。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」