番町(読み)バンチョウ

デジタル大辞泉 「番町」の意味・読み・例文・類語

ばん‐ちょう〔‐チヤウ〕【番町】

東京都千代田区一番町から六番町までの総称、または通称。江戸時代大番組が住んだ。

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日本歴史地名大系 「番町」の解説

番町
ばんちよう

現千代田区西部、目白通の少し南側から新宿通(国道二〇号)の少し北側、一番いちばん町から六番ろくばん町、富士見ふじみ町一―二丁目、九段南くだんみなみ二―四丁目、同北一―四丁目に該当する。江戸時代にはおよそ江戸城内堀の半蔵はんぞう御門より北、田安たやす御門より南と、外堀の四谷御門・牛込御門との間に囲まれる範囲で、旗本の集住する武家地であった。地名は元和―寛永(一六一五―四四)頃大御番の屋敷が与えられたことによるという(旧事茗話)。「御府内備考」によると、一番町は御堀端一番おほりばたいちばん町・新道一番しんみちいちばん町・一番町通などに分れる。二番町表二番おもてにばん町・裏二番うらにばん町・袋二番ふくろにばん町・二番町通などに分れ、五番ごばん町と六番町の間に挟まる。三番さんばん町は四番よばん町と六番町の間にあって三番町通ともいい、四番町は表四番おもてよばん町・裏四番うらよばん町・土手四番どてよばん町などがある。


番町
ばんちよう

[現在地名]丸亀市大手町おおてちよう一―三丁目・六番丁ろくばんちよう七番丁しちばんちよう八番丁はちばんちよう九番丁くばんちよう十番丁じゆうばんちよう城東町じようとうちよう二丁目

城の四周、外堀内の外郭全域に形成された侍町で、「西讃府志」の「外廓」の地域にあたり、全域が藩施設および家中屋敷で占められた。いずれも外堀を挟んで東は鵜足うた土居どい村、西は上南条かみなんじよう町・農人のうにん町・那珂なか中府なかぶ村、南は同郡地方じかた村、北は風袋ふるたい町・とおり町・富屋とみや町・塩飽しわく町。

当地にあった山北やまのきた八幡宮は慶長七年(一六〇二)丸亀城築城のため那珂郡柞原くばら郷の地に移されており、生駒氏築城に伴って屋敷地が形成されたと考えられるが、その時期および元和の一国一城令による廃城後の様子を知ることはできない。


番町
ばんちよう

[現在地名]岡山市番町一―二丁目・南方みなみがた一―二丁目・広瀬町ひろせちよう

外堀に面し、北側に位置する武家屋敷町。東は上出石かみいずし町・御旅所藪地、南は外堀、西は南方村、北は伊勢宮・小畑おばた町。一―八番町からなる広域の町で、寛永城下絵図でも一―五番町辺りは武家屋敷地域。一番町から五番町までは古く伊勢宮社領地であったことから伊勢宮番町と称し、慶長(一五九六―一六一五)頃から武家屋敷が建てられ、池田忠雄時代には町が成立していたという(吉備温故秘録)


番町
ばんちよう

[現在地名]八戸市番町

八戸城の南に位置する武家町。東はくぼ町、西はつつみ町・本徒士もとかちし町、北は堀端ほりばた町・馬場ばば町、南は十三日じゆうさんにち町・三日みつか町・八日ようか町に接する。西から東に上番かみばん町・中番町・下番町と続き、中番町と下番町の境を大手筋が通る。中央を南西から北東の方向に街路が延びる。文久年間(一八六一―六四)八戸御城下略図に上番丁・中番丁・下番丁とあり、諸士名がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「番町」の意味・わかりやすい解説

番町
ばんちょう

東京都千代田区西部の地区。江戸時代には旗本大番衆(おおばんしゅう)の屋敷地が一番町から六番町まであったことが地名の由来。芝居で有名な「番町皿屋敷」は、一番町の青山播磨守(はりまのかみ)の屋敷で、事件があったのは元文(げんぶん)年間(1736~1741)のことという。山手(やまのて)台地にあり、都心の高級住宅街を形成し、イギリス大使館、日本テレビ番町スタジオ、大妻女子大学、東京家政学院大学、また、盲目の学者塙保己一(はなわほきいち)が設立した和学講談所跡がある。東京地下鉄有楽町線、半蔵門線が通じる。

[沢田 清]


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百科事典マイペディア 「番町」の意味・わかりやすい解説

番町【ばんちょう】

東京都千代田区西部の地名。一番町から六番町まであり,江戸時代は小禄の旗本,大番衆の屋敷地,明治以降,高級住宅地として発展。第2次大戦後,日本テレビをはじめ会社,事業所が進出,高層化が著しい。学校が多く,イギリス大使館,ローマ法王庁大使館などがある。

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世界大百科事典(旧版)内の番町の言及

【麴町】より

…現在の麴町にはビルが多く,オフィス街としての性格が強い。一方,麴町の北側の番町は,明治以降,高級住宅地となり,イギリス大使館などの外国公館も設けられたが,近年はオフィス・ビルがふえている。【正井 泰夫】
[歴史]
 半蔵門から西にむかう甲州道中(街道)起点部の地名で,慶長(1596‐1615)ころまで国府方(こうかた)とも呼ばれ,やがて国府路(こうじ)となり,麴の文字をあてられ麴町となる。…

※「番町」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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